図解
※記事などの内容は2019年1月19日掲載時のものです
【ワシントン時事】トランプ米政権の発足から20日で丸2年。先の中間選挙で与党共和党が下院の過半数を割り、野党民主党との協調なしでは政策を実現しにくくなった。だが、トランプ大統領は、対決姿勢をより鮮明にし、公約であるメキシコ国境の壁実現に向け支持者へのアピールを強めている。
米メディアによると、トランプ氏は就任以来、週2回を上回るペースでプレーしてきたゴルフから、50日以上遠ざかっている。
「80万人もの職員が無給だというのに、なぜ国を離れるのか」。トランプ氏は18日、壁建設予算をめぐる対立で政府機関の一部閉鎖が続く中、海外視察を計画した民主党のペロシ下院議長をツイッターでこう批判。公約実現に向けた自身の真剣さを訴えた。
政権発足以来、トランプ氏の支持率はロシア疑惑や女性問題に見舞われても、40%前後から大きく崩れることはなかった。岩盤と言われる保守支持層の存在が大きく、彼らが求める「壁」は、トランプ氏にとって「逆風から身を守る言葉」(識者)になってきた面がある。
だが、中間選挙後は、支持者の声に振り回される場面も目立つ。トランプ氏は昨年12月、政府閉鎖の回避へ与野党が合意した暫定予算に署名しかけたが、保守系コメンテーターらから批判が出ると、方針を撤回。政府閉鎖が過去最長を更新し続ける今も、「閉鎖解除に応じたら政権はおしまい」(コラムニスト)という圧力を受ける。
◇一様でない共和党
政府閉鎖の長期化は、穏健な支持層の離反を招く恐れもある。米公共ラジオ(NPR)の1月の世論調査で、トランプ氏の支持率は前月比3ポイント減の39%、特に共和党支持層では同7ポイント減の83%となった。共和党内でも、政府閉鎖の早期解除を求める声が上がり始めている。
来年には再選を目指す大統領選を迎える。トランプ氏が公約に掲げた壁建設や貿易赤字是正をめぐって、支持者が今後、より成果を求めるようになるのは間違いない。一方で、貿易摩擦や政府閉鎖の長期化による経済への悪影響など「米国第一」路線を続ける弊害も指摘される。任期後半を迎え、政権運営の自由度はより低くなりそうだ。
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