図解
※記事などの内容は2018年10月17日掲載時のものです
【ワシントン時事】トランプ米政権は16日、日本、欧州連合(EU)、英国との貿易協定交渉に入る意向を議会に通知した。最大の標的である中国との「貿易戦争」を収束させる道筋が見えていないため、トランプ大統領は任期4年の折り返し点の来年、成果を求めて日本やEUに厳しい矛先を向けるとみられる。
トランプ氏は、先月末に決着したカナダ、メキシコとの北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉で、鉄鋼や自動車に高関税を課すと脅して譲歩を迫った。2国間協定を避けてきた日本に「物品貿易協定(TAG)」交渉を受け入れさせたのも「関税のおかげ」と手応えを語る。日本、EUと「交渉中は車関税を発動しない」と約束はしたものの、高関税をちらつかせて圧力をかける構えだ。
今回の議会通知で、日本などとの正式な交渉は来年1月14日から可能になる。年末にかけて具体的な交渉範囲について日本、EUと調整を進め、実際の交渉入りの30日前までに「交渉目標」を議会に示す意向だが、事前協議は紛糾も予想される。
日米間では、関税以外の分野をどこまで含めるかをめぐり難航は必至だ。日本政府はTAG交渉は「関税中心」と説明するが、米側は「サービスの不均衡」(通商代表部)にも関心が高い。交渉本番では、市場開放の目安として環太平洋連携協定(TPP)の水準をめぐるせめぎ合いが続く見込みだ。
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