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【図解・国際】米中による追加関税の主な品目(2018年7月)

米中による追加関税の主な品目

米、追加関税発動へ=中国報復で「貿易戦争」-世界経済に影響

※記事などの内容は2018年7月6日掲載時のものです

 【ワシントン、北京時事】トランプ米政権は米東部時間6日未明(日本時間同日午後)、中国が知的財産権を侵害したとして同国から輸入するハイテク製品に25%の追加関税を課す制裁措置を発動する。対象は年500億ドル(約5兆5000億円)相当の輸入品で、これに対抗して中国も同じ規模の米国産品に報復関税を実施。制裁と報復を繰り返す「貿易戦争」に入り、日本を含む世界経済への影響が懸念される。
 トランプ政権は3月、米通商法301条に基づき、中国の知財権侵害を理由に制裁関税を課すと表明した。両国は貿易協議で対立の回避を模索したが折り合えず、経済大国同士が全面衝突する新たな局面に入る。
 米中両国は6日、第1弾として340億ドル相当の輸入品への追加関税をそれぞれ発動。米国は自動車、情報通信機器など818品目を対象にし、中国のハイテク産業振興政策をけん制した。中国の標的は米与党共和党の票田である農業州の産品が中心で、大豆や鶏肉など545品目に上る。
 両国は時期を見極めつつ、第2弾である160億ドル相当の輸入品にも高関税を課す。トランプ大統領は対中制裁の対象を最大で4500億ドルに増やす可能性を示唆。中国からの輸入品の大半に追加関税をかける異常な事態になりかねない情勢だ。
 高関税は、生活必需品、原材料の値上がりなどを通じて両国の消費者と企業に負担を強いる。貿易摩擦の激化は金融市場を動揺させたり、多国籍企業にサプライチェーン(部品供給網)の見直しを迫ったりする可能性があり、影響は世界全体に及びそうだ。
 トランプ政権の「米国第一主義」に端を発した貿易摩擦は、保護主義の連鎖を招く恐れをはらむ。米国が既に実施した鉄鋼とアルミニウムの輸入制限には、中国のほか、欧州連合(EU)、カナダなどが相次いで報復した。米通商専門家は「最悪のシナリオは国際的な通商ルールが形骸化することだ」と懸念している。

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