図解
※記事などの内容は2017年6月8日掲載時のものです
【ワシントン時事】ロシア政府による米大統領選介入疑惑をめぐり、コミー前米連邦捜査局(FBI)長官は8日、上院情報特別委員会の公聴会で証言する。コミー氏は開会に先立って特別委に書面を提出し、トランプ大統領から捜査打ち切りなどを要求された経緯を詳述。公聴会でコミー氏がどこまで書面の説明に肉付けし、大統領による司法妨害の疑いが深まるかが焦点だ。
5月9日の解任後、コミー氏が公の場で話すのは初めて。証言内容によっては民主党内の一部で出ている大統領弾劾論が拡大する可能性もある。
7日に公開された書面によると、大統領は6回の電話を含めて計9回、在任中のコミー氏と1対1で会談。1月27日にホワイトハウスで夕食を共にした際は「私には忠誠が必要だ」と自身に忠誠を誓うよう求め、コミー氏は「私はいつも誠実だ」と応じた。
大統領は2月14日には執務室でコミー氏に向き合い、「フリン(前大統領補佐官)について話したい。彼はいいやつだ。ほっておいてくれることを望む」とフリン氏への捜査打ち切りを要求。コミー氏は「彼はいいやつだ」とだけ答えた。
大統領は3月30日にはコミー氏に電話し、「(捜査の)暗雲を取り払う」ために何ができるかと質問。4月11日の電話では「私はこれまであなたにとても誠実だった。私たちには『あのこと』がある」と意味ありげに語った。コミー氏は「あのこと」の意味は尋ねず、この電話が大統領とコミー氏の最後の会話になったという。
◇ジェームズ・コミー氏
ジェームズ・コミー氏 1960年12月、ニューヨーク州生まれの56歳。85年、シカゴ大法科大学院修了。ニューヨーク州南部連邦地検勤務などを経て、2002年1月から同地検検事。地検勤務時代、サウジアラビアの米軍宿舎爆破事件捜査やマフィア壊滅作戦などを指揮した。03年12月~05年8月、司法副長官。13年9月に連邦捜査局(FBI)長官に就任。17年5月9日に解任される。
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