図解
※記事などの内容は2016年11月28日掲載時のものです
【ニューヨーク時事】トランプ次期米大統領が掲げた大幅な規制緩和が、金融や製薬、エネルギーを中心とした米産業界に大きな恩恵をもたらすとの期待が高まっている。トランプ氏はオバマ政権の過剰な規制が経済に年2兆ドル(約220兆円)もの損失を与えたと主張。規制の全面的な見直しで経済の底上げを目指す構えだ。
金融大手ゴールドマン・サックスのブランクファイン会長兼最高経営責任者(CEO)は「トランプ氏の政策は金融市場に追い風」と歓迎している。規制緩和に、大型減税やインフラ投資拡大を加えた政策を「産業界寄り」と受け止めた。
大手金融機関は、オバマ政権下で成立した金融規制改革法(ドッド・フランク法)によって、自己資本の積み増しやリスクの高い取引の制限を求められ、軒並み収益が低迷。トランプ氏は「ドッド・フランク法が金融機関の本来の機能を阻害している」と指摘し、同法の見直しを訴えている。
米国では主要先進国で最も高い法人税率(35%)を回避するため、海外に利益を蓄える大手企業が目立ち、総額は2兆ドルを超える。トランプ氏はこうした利益を米国に戻す場合、10%の軽減税率を適用することを提唱している。巨額の海外利益を抱える企業にはファイザーなど製薬大手が多く、米アナリストは「資金が米国に還流すればM&A(合併・買収)が活発になる」と語った。
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