図解
※記事などの内容は2016年11月8日掲載時のものです
【ワシントン時事】米大統領選が翌日に迫った7日、民主党候補ヒラリー・クリントン前国務長官(69)と共和党候補ドナルド・トランプ氏(70)は激戦州を駆け足で回り、最後の訴えに全力を挙げた。大統領選はクリントン氏が一歩リードを保ったまま、投開票日に突入する。
クリントン氏をめぐっては、連邦捜査局(FBI)が私用メール問題で訴追しない方針を6日に議会に報告し、逆風が収まった。しかし、メール問題の再燃は既に各地の情勢に影響を与えており、クリントン氏は7日、接戦州に加え、民主党の牙城とされるミシガン州を回る日程を組んだ。
クリントン氏は接戦となっているペンシルベニア州からこの日の遊説をスタート。トランプ氏を「気質の面でも経験の面でも大統領に不適格だ」とこき下ろし、「暗く敵対的なビジョンは必要ない。あすは希望に満ち、懐が深く、心の広い米国に投票しよう」と自身への投票を呼び掛けた。
クリントン氏はミシガン州で演説した後、再びペンシルベニア州に戻り、オバマ大統領夫妻とそろい踏みの集会に出席。大統領は「クリントン氏は私より、夫のビル(クリントン元大統領)より大統領になる準備ができている」と強調し、歌手のブルース・スプリングスティーンさんやジョン・ボンジョビさんも支持を呼び掛けた。さらにノースカロライナ州に飛び、深夜の集会で選挙戦を締めくくる。
猛追するトランプ氏は、フロリダ、ノースカロライナ、ペンシルベニア、ニューハンプシャー、ミシガン5州を1日で巡る強行日程。クリントン氏の訴追見送りを各地で「体制は腐敗している」と批判し、「正義の裁きを下すかどうかは国民の判断に委ねられた」と自身の選出を訴えた。
トランプ氏は「腐敗した既成勢力にわれわれの声を聞かせよう。あすはわれわれが勝利し、沼地を大掃除する」と宣言。聴衆からは「彼女を投獄しろ」などとシュプレヒコールが上がった。
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