図解
※記事などの内容は2012年11月3日掲載時のものです
【ワシントン時事】米大統領選と同時に行われる連邦議会選挙は、民主党が上院で過半数の51議席を維持できるかが焦点になる。現時点の各種世論調査では、同党の獲得予想議席数は共和党を上回っており、民主党が小差で多数を制する公算が大きくなっている。一方、共和党は、引き続き下院の過半数を握る見通しで、上下両院の「ねじれ」が続く可能性が高い。
人事や外交で大きな影響力を持つ上院(定数100)の現勢力は、民主党が53(同党系無所属2を含む)、共和党は47。今回は3分の1に当たる33議席が改選になる。改選議席の内訳は、民主党23、共和党10。4議席を上積みして過半数奪取を目指す共和党が、景気・雇用情勢は好転していないと民主党のオバマ政権を批判し、攻勢を掛ける構図だ。
ただ、共和党陣営では、ミズーリ州で民主党現職に水をあけていたトッド・エイキン候補が「レイプされた場合は妊娠することはない」と発言して批判を浴び、失速。インディアナ州のリチャード・マードック候補も、人工中絶をめぐる暴言を問題視されている。数議席の差が雌雄を決する戦いで、相次ぐ失態は痛手だ。
一方、民主党では、大統領選の激戦州であるフロリダ州やオハイオ州で現職が優位に戦いを進め、マサチューセッツ州でも、共和党現職に挑む大統領に近い新人女性候補が抜け出しつつある。こうした情勢を踏まえ、民主党の獲得議席数は、同党系無所属2を含め52議席に達するとの予測も出ている。
ただ、大統領選で共和党のロムニー候補が勝利するほどの勢いを得れば、上院選でも同党に追い風が吹く。両党ともに50議席で伯仲するといったシナリオもまだ完全には捨て切れない。
一方、全議席改選となる下院(定数435、欠員5)は、共和党が240の現勢力を減らしながらも、過半数の218を大きく超える議席を得ることが確実。民主党には厳しい情勢になっている。
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