図解
※記事などの内容は2012年10月6日掲載時のものです
【ワシントン時事】米大統領選は11月6日の投開票日に向け、最終盤の攻防に入った。再選を目指すオバマ大統領は雇用情勢の改善に助けられ、劣勢に回った候補者討論会から持ち直した形。共和党のロムニー候補は残り2回の討論会に逆転の望みを懸ける。
5日発表の雇用統計によると、9月の失業率は前月比0.3ポイント減の7.8%。大統領が就任した2009年1月の水準に戻った。
この翌月以降先月まで、失業率は43カ月連続で8.0%以上。景気・雇用問題は今回の大統領選の最大の争点のため、共和党側に格好の攻撃材料を与えた。
3日に行われた第1回候補者討論会でもロムニー氏はこれに触れ、大統領の「失政」と非難。精彩を欠いた大統領は、有権者にどちらが勝者か尋ねた直後の世論調査で「完敗」した。
大統領は5日、激戦が展開される中西部オハイオ州で遊説し、失業率低下に触れ「われわれは再び前進しつつある」と実績をアピール。討論会の失敗に続く「ダブルパンチ」を回避したことに安堵(あんど)の表情も見せた。
ロムニー氏は9月中旬、所得税を納めていない47%の国民について「大統領の支持者なので生活の面倒は見ない」と発言していたことが表面化。これを民主党サイドに突かれ、激戦州中心に支持率でリードを広げられた。
しかし、討論会を受けて一部の州で差が縮小。追い風に乗ったタイミングを見計らい、4日には問題の発言を「完全な誤りだった」と撤回した。
追撃態勢を整えた直後の失業率改善は出はなをくじかれた格好。5日の声明で、厳しい雇用環境に求職を断念した国民を含めれば「実際の失業率は11%近くに達したはずだ」と断言し、「真の回復ではない」とかみついたが、政権攻撃の迫力が薄れたのは否めない。
16、22日に開催される討論会の重要性は一段と増しており、「3連勝」がロムニー氏逆転の必須条件と言える。
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