図解
※記事などの内容は2011年12月30日掲載時のものです
【ワシントン時事】来年11月の米大統領選に向けた野党共和党の候補者争いは、1月3日のアイオワ州党員集会で正式にスタートする。安定した支持を集めるロムニー前マサチューセッツ州知事が軸になるが、同氏を脅かす「伏兵」が次々に現れ、過去に例のない混戦。決着時期もはっきり見通せなくなっている。
アイオワ州党員集会に続き、1月中にニューハンプシャー、サウスカロライナ、フロリダ各州で予備選が実施される。11州の予備選・党員集会が集中する3月6日の「スーパーチューズデー」でヤマ場を迎える。
前回も出馬したロムニー氏は一貫して20%台の支持を得て、常に首位かトップ集団に付けてきた。地元マサチューセッツ州の隣、ニューハンプシャー州で他を引き離しており、初戦に勝てば資金力で勝る同氏は断然有利になる。
ただ、党内で穏健派に位置付けられるロムニー氏には保守系を中心に反発も根強い。同氏の対抗馬として、一時は選対幹部の一斉辞任で撤退もささやかれたギングリッチ元下院議長まで浮上した。
ギングリッチ氏は、他陣営に付いたかつての同僚議員や元スタッフらに「短気」「自分勝手」などと人格面で集中砲火を浴び、ひところの勢いは消えた。保守色の強いアイオワ州に限れば、代わってポール下院議員に支持が集まり、この数日はサントラム元上院議員が急上昇している。
ポール氏は政府の極小化や国際紛争への不介入など極端な立場を取り、最終的な指名獲得は困難視されてきた。5年前に上院選に落ちたサントラム氏は泡沫(ほうまつ)扱いされていた候補だ。
とはいえ、「反ロムニー票」の行方は不透明。レースの流れ次第では、4月以降に勝負が持ち越される可能性も指摘される。
共和党の候補者選びはその前の大統領選後すぐに「本命」が登場し、リードし続けたケースが多い。予断を許さない状況に、ワシントン・ポスト紙は「今回は全員にチャンスがある」と分析している。
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