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※記事などの内容は2011年11月26日掲載時のものです
【ワシントン時事】米共和党の大統領候補指名争いで、ベテランの味を出すギングリッチ元下院議長(68)が首位に躍り出た。ただ、急上昇した候補は2カ月程度で沈むのが今回のレースの特徴。同氏がいつまで人気を保てるか不透明だ。
「敵はオバマ大統領。党内でのいがみ合いはやめるべきだ」。頭に血が上り、ライバル攻撃に走る他の候補をなだめるのが討論会でのギングリッチ氏の役回り。過激な主張は一切しない。
今月中旬以降、各種世論調査でギングリッチ氏の支持率は軒並みトップ。安定した支持を誇るロムニー前マサチューセッツ州知事(64)を抜いた。
しかし、先頭走者にメディアは厳しい。ギングリッチ氏に2度の離婚歴があり、1度目は妻の入院中に離婚を告げたとされ、2度目の結婚中に現在の妻と不倫していたことが早速蒸し返された。
次いで、連邦住宅貸付抵当公社から多額の顧問料を取り、違法にロビー活動していた疑いが報じられた。陣営はホームページに「非難に答える」と題するコーナーを設け反論を試みるが、火の手は収まりそうにない。
ギングリッチ氏は1990年代に党を率い、当時のクリントン政権に立ち向かった。今回、満を持して名乗りを上げたものの「過去の政治家」のイメージが付いて回る。
米キニピアック大学の最新の調査で、現在推す候補と別に「最後に指名争いを制するのは誰か」を尋ねたところ、支持率で1位のギングリッチ氏は19%にとどまり、52%のロムニー氏に圧倒された。
穏健派で、発言にぶれが目立つロムニー氏には保守派を中心に批判が根強い。調査結果は、党支持者の多くが同氏勝利を予測しつつ、対抗馬を探し求める現状を反映した。
7月後半に待望論が沸き起こったペリー・テキサス州知事(61)は一時、支持率首位に立ったが、討論会の失態が重なり9月下旬に転落。代わって浮上した実業家ケイン氏(65)はセクハラ問題で打撃を受け、外交音痴ぶりもさらけ出し下降中だ。
6~8月ごろ、支持率が低迷したギングリッチ氏は陣営幹部の一斉辞任で撤退がうわさされていた。浮沈の繰り返しは人材不足の裏返しでもある。
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