図解
※記事などの内容は2020年1月3日掲載時のものです
【ワシントン時事】米国の中央銀行に当たる連邦準備制度理事会(FRB)は、これまでの利下げ効果を見極めるため、今年は政策金利を据え置く見通しだ。11月の米大統領選に向けて成長や雇用の拡大が主要論点になるとみられる中、過去最長となった景気拡大の維持へ重圧がかかる。
FRBは昨年、米中貿易摩擦や世界経済の減速を警戒し、約10年半ぶりに利下げを実施。7月から3回連続で政策金利を引き下げた後、12月は年1.50~1.75%に据え置いた。今年の成長率は2.0%と、潜在成長率を若干上回ると見込む。
米景気拡大は過去最長を更新中で、今夏まで続けば12年目に入る。パウエル議長は米中貿易協議「第1段階の合意」は景気にプラスと説明。「利下げ効果の発揮には時間がかかる」として、今年は利下げも利上げも必要ないとの考えだ。
ただ、企業の投資や生産活動は低調で、「堅調な雇用や個人消費に波及しかねない」(米エコノミスト)との懸念も強い。日銀や欧州中央銀行(ECB)の大規模金融緩和で世界景気が持ち直すかは不透明で、FRBが追加利下げを迫られるシナリオも排除できない。
再選がかかるトランプ大統領が金融緩和による景気底上げを狙い、圧力を強める可能性も高い。空席となっている理事の人事などを通じ、FRBがトランプ色に染まる事態を危惧する声もある。
弱いままの物価上昇圧力も懸案だ。日米欧は低成長、低インフレ率、低金利が恒常化する新局面「ニューノーマル」(パウエル議長)に直面している。FRBはデフレ回避のため、インフレ率が2%目標を超えることを容認する新たな政策枠組みを上半期に示す予定だ。
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