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【図解・国際】米大統領支持率の推移

米大統領支持率の推移

トランプ氏、高齢層の支持離れ危機感=バイデン氏、熱気乏しく―米大統領選まで半年

※記事などの内容は2020年5月2日掲載時のものです

 【ワシントン時事】11月の米大統領選まで3日で半年。再選を目指す共和党のトランプ大統領(73)と民主党の候補指名を確実にしたバイデン前副大統領(77)の攻防が静かに動きだした。2人にとって新型コロナウイルスで健康を脅かされる高齢者は重要な支持層を占める。政権の対応に厳しい評価が寄せられる中、一部世論調査では高齢層の支持離れが見られ、トランプ陣営は危機感を募らせている。

 ◇逆効果の記者会見

 「バイデンに負けるはずがない」。米メディアによると、トランプ氏は4月下旬、激戦州の多くで後れを取るとの陣営の情勢分析に声を荒らげた。劣勢の大きな要因として指摘されたのは、3月以降、トランプ氏が「戦時大統領」と称してほぼ毎日開催してきた記者会見だ。
 高齢層は新型ウイルスの情報に敏感でテレビ中継される会見をよく見る。ところがトランプ氏は、殺菌剤投与のウイルスへの「効用」を主張するなど、信ぴょう性の乏しい情報発信を連発。会見は批判を浴び、4月27日を最後に途絶えた。
 保守層が多い高齢者の支持は、2016年大統領選でトランプ氏勝利に大きく貢献した。だが、4月に行われたCNNテレビなど複数の世論調査によると、バイデン氏は65歳以上の支持が過半数に上り、トランプ氏に10ポイント以上差をつけている。大統領選は再選を目指す現職が一般的に有利とされるが、トランプ氏にとっては「穏健派に支持を広げない限り状況は厳しい」(マシュー・グリーン・カトリック大教授)という見方がある。

 ◇セクハラ疑惑で逆風

 一方、バイデン氏は新型ウイルスで集会を開けず、自宅地下からインターネット上で支持者と対話する異例の選挙戦を強いられている。候補指名を確実にしたばかりだが、話題性と支持者の熱気は乏しい。
 バイデン氏は、4年前にトランプ氏に敗れたクリントン元国務長官と比べ、世論調査の好感度は高い。激戦州フロリダの政治に詳しいノースフロリダ大のマイケル・バインダー准教授は「4年前は民主党候補が『嫌われ者』のクリントン氏だったからこそ、穏健な共和党員や無党派層がトランプ氏に投票した」と指摘。バイデン氏なら支持獲得が可能と分析する。
 だが、バイデン氏は、元スタッフの女性から27年前の「性的暴行」を訴えられ、1日に否定の声明を出した。徹底調査を求める声は党内外から強まり、今後も火種がくすぶる気配だ。
 新型ウイルスの収束が見えない中、11月の選挙の投票率が低迷し、熱狂的な支持者がいるトランプ氏が相対的に有利になる展開も想定される。バインダー准教授は「バイデン氏も、投票に値する候補であることを民主党支持者や無党派層に信じ込ませなければならない。そのためのエネルギーが必要になる」と指摘する。 

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