図解
※記事などの内容は2020年1月27日掲載時のものです
【デモイン(米アイオワ州)時事】11月の米大統領選に向けた民主党の候補指名争いの初戦となる中西部アイオワ州党員集会(2月3日)まで、27日で残り一週間となった。候補者は週末、州内各地で演説。再選を目指すトランプ大統領に「勝てる候補」であることを競ってアピールし、最後の支持獲得に全力を挙げた。
◇熱狂が勝利生む
バイデン前副大統領(77)は26日、デモイン近郊で演説会を開催。「トランプ政権が4年間で終われば『歴史の逸脱』で許される。だが8年続けば国のありようが根本的に変わってしまう」と語り、再選を阻止する決意を強調した。
バイデン氏は豊富な政治経験や、労働者層に人気があることを理由に、「トランプ氏に勝てる候補」を自任する。「トランプ政権で労働者は死にひんしている」と語り、経済に関するトランプ氏との論戦に自信を示す。
この日は聴衆百人程度の小規模な集会で、熱狂的な雰囲気はない。高齢者が目立ち、「米国の魂を再生する」と訴えるバイデン氏の主張を熱心に聴き入っていた。
一方、これとは対照的な手法を取るのがサンダース上院議員(78)だ。格差拡大に不満を抱く若者から絶大な支持を受けるサンダース氏は、投票率が低い若者を選挙に動員する「熱狂」こそが、トランプ氏への勝利につながると主張する。
サンダース氏は演説で「旧来のワシントン政治にそれができるとは思わない。われわれの陣営なら低賃金で働く労働者や革新的な若者に語り掛けることができる」と、バイデン氏らとの違いをアピールした。
実際、25日に州内で開かれたサンダース氏の集会は、ボランティアの若者の多さが目を引き、会場の熱気も群を抜いていた。
◇選挙戦を左右
指名争いに残る12人のうち世論調査で2人を追うのがウォーレン上院議員(70)とブティジェッジ前インディアナ州サウスベンド市長(38)。特に、アイオワと第2戦の東部ニューハンプシャー州予備選(2月11日)に向けて、4人が激戦を展開している。いずれかの候補が連勝すれば、その後の指名争いの行方も左右する。
一時の勢いがないウォーレン氏は、主要候補の中で唯一の女性であるとのアピールを演説の中に取り入れ始めた。2018年の中間選挙で過去最多の女性候補が当選したことに触れ「トランプ氏が大統領になって以降、女性候補は常に男性候補をしのいでいる」と訴えた。
ブティジェッジ氏も「この選挙は新たな歴史のページを開くチャンスだ。私は政治に希望があることを実証するためにここにいる」と、最年少の清新さをアピールした。
突出した人気候補がいない中、支持候補をまだ決めていない人も目立つ。ウォーレン氏の演説会場にいた男性(67)は、「バイデン氏には経験があるが、米国には今、何か新しいものが必要だ」と語り、バイデン氏以外の3人から支持候補を決めると明かした。
民主党候補指名争いの流れ
民主党候補の獲得代議員数
民主党の予備選と党員集会
米大統領選の主な日程
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