図解
※記事などの内容は2018年6月14日掲載時のものです
一般住宅に外国人旅行者らを有料で泊める「民泊」が15日、全国的に解禁される。2020年の東京五輪・パラリンピック開催に向けて訪日客数は一段と増加が見込まれ、民泊はホテルなどでまかないきれない宿泊者の受け皿として期待が大きい。市場拡大をにらみ、国内外の仲介サイト業者だけでなく、コンビニエンスストアや旅行会社など大手企業が続々と参入している。
仲介サイト最大手の米エアビーアンドビーは14年の日本参入以来、市場開拓をリード。ブレチャージク最高戦略責任者は14日、東京都内で会見し、昨年の仲介実績が国内で600万人に上ったと強調した上で、「東京五輪でも宿泊ニーズを満たす手伝いをしたい」と語った。
エアビーは本格解禁に当たり、警備大手セコム、みずほ銀行をはじめ、幅広い業種の36社と手を組んだ。ファミリーマートの店内には、24時間いつでも民泊利用者に鍵を受け渡すことができる専用ボックスを設置。住宅販売のオープンハウスとは民泊対応型住宅の開発にも取り組む。
ただ、エアビーは全国解禁を控え、自治体に届け出ていない物件の宿泊予約を強制的に取り消し、利用者の混乱を招いた経緯がある。
エアビーに対抗し、仲介サイト運営の「百戦錬磨」(仙台市)も、集客効果を狙い大手企業と相次ぎ提携した。JTBに民泊物件を紹介してもらい、住友林業からは物件の提供を受ける。日本航空とは航空券と民泊のセット販売を手掛けるなど、全方位に利用者を囲い込みたい考えだ。
海外の仲介サイトを活用し、訪日民泊客の母国での売り込みもスタート。楽天LIFULL STAY(ライフルステイ、東京)は米ホームアウェイに加え、中国、台湾の現地サイトを通じて、日本の伝統文化が味わえる古民家の仲介にも力を入れる。
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