図解
※記事などの内容は2019年8月19日掲載時のものです
ベビーフード市場がじわりと伸びている。開封してすぐに食べられる簡便さなどから、育児時間が限られる共働き世帯を中心に支持が拡大。少子化で子どもの数が減少しているのとは対照的に、商品の棚や種類は充実するばかりだ。
離乳食は生後5~6カ月ごろにつぶしたおかゆから開始。徐々に量や使う食材を増やしていくが、調理に手間がかかる上、栄養バランスのとれたメニューを毎食用意するのは容易ではない。近年は離乳食を終える月齢が遅くなる傾向にあり、富士経済によると、ベビーフードの販売量は直近8年で2割近く拡大。子育て世代からは「手作りを食べてくれず、市販品に頼ることがある」(会社員女性・35)との声が聞かれる。
成長する市場を取り込もうと、各社はさまざまな製品を投入。アサヒグループ食品(東京)は「和光堂」ブランドで、1歳以降を対象とした商品のラインアップを充実。9月には国産食材で五感を刺激するシリーズを販売する。キユーピーは主力の「ハッピーレシピ」で、家庭で調理しにくい鶏レバーやまぐろを使った商品を拡充。9月には1歳半~3歳ごろを対象に1食分の野菜がとれる新シリーズを発売する。
森永乳業は乳幼児向けゼリー飲料で、野菜と果物をとれるものに加え、水分補給に適した新商品を昨年発売。2018年度の同ゼリー飲料の売上高は前年度と比べ約5割増えた。広報担当は「市販ベビーフードへの抵抗感が薄れ、1人当たりの使用頻度が上がっている」と話している。
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