図解
※記事などの内容は2019年6月25日掲載時のものです
大手住宅設備メーカーLIXILグループの株主は、社長兼最高経営責任者(CEO)を解任された「プロ経営者」瀬戸欣哉氏に混乱収拾と経営の再建を託した。25日の株主総会で目立ったのは、強引な手法で内紛のきっかけをつくった創業家の潮田洋一郎氏に対する不満の声。再登板を果たした瀬戸氏は、社内の分裂をまずは修復しつつ、創業家の影響力を排除する難しいかじ取りを迫られる。
「創業家が裏で糸を引いているから駄目なんだ」。ある男性株主が批判すると、多くの株主がうなずいた。潮田氏が住友商事出身の瀬戸氏を引き抜いてトップに据えたのは、わずか3年前。瀬戸氏の前任のプロ経営者も就任から5年足らずで退任に追い込んだ。
潮田氏は瀬戸氏解任の際、トップ人事を決める指名委員会に「瀬戸氏が退任の意向を持っている」と誤解させる発言までしていた。日本を離れてシンガポールで暮らす潮田氏が首脳人事を差配することに加え、水面下で同国への本社移転の可能性を探っていたことも株主の不評を買った。瀬戸氏は25日の記者会見で、「シンガポール移転は一切考えていない」ときっぱり否定した。
総会では、会社側の取締役候補6人も選任された。終了後、瀬戸氏は「ノーサイドだ」と融和路線を掲げたが、さいたま市の男性株主は「分裂が始まらないか心配だ」と顔を曇らせた。
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