図解
※記事などの内容は2019年1月10日掲載時のものです
米中貿易摩擦の影響で、中国向けを中心に好調に推移してきた日本メーカーによる製造機械の販売・受注の減速が鮮明になってきた。業界団体の日本半導体製造装置協会(SEAJ)が10日発表した日本製半導体・薄型パネル製造装置の2019年度販売高は、前年度比2.8%減の2兆7310億円と、7年ぶりのマイナスとなる見通し。工作機械も19年の受注額が1割強落ち込むと予測されている。
SEAJの見通しでは、半導体・薄型パネル製造装置の販売高は18年度まで3年連続で2桁台の増加率を達成。だが、米中貿易摩擦の影響による景気減速で中国でのスマートフォン販売が不振となり、記憶用半導体メモリーなどの生産投資の延期が相次いだ。19年度は、これを踏まえ半導体製造装置はほぼ横ばい、薄型パネル製造装置は16.7%の大幅な減少を予測した。
10日に記者会見した辻村学会長(荏原製作所執行役専務)は、米中対立の激化などが背景となり、「(昨秋以降)装置メーカー経営者の景況感が悪化している」と指摘。19年度後半からの回復に期待を示した。
日本工作機械工業会の飯村幸生会長(東芝機械会長)は9日、業界団体の会合で、19年の国内外での受注額が前年比約11%減の約1兆6000億円にとどまるとの見通しを明らかにした。18年は約1兆8000億円(推計)と2年連続で過去最高を更新するが、飯村会長は「スマートフォン需要の低迷や米中対立の先鋭化など複合的なマイナス要因で、中国で設備投資に手控え感が出ている」と語った。
新着
会員限定