図解
※記事などの内容は2017年3月14日掲載時のものです
東芝は14日、記憶用半導体フラッシュメモリー事業に続き、米原発子会社ウェスチングハウス(WH)についても過半数の株式を売却する方針を表明した。経営再建に向け両事業を切り離すことで、売上高はピーク時の6割程度となる4兆円規模に縮小する。創業140年を超える東芝は、解体と縮小によって再起を目指すが、思い描く成長の実現に懐疑的な見方は多い。
東芝はメモリー事業とWHを除いた2019年度の連結売上高を4兆2000億円とする計画を公表。売上高は電機メーカー6位の三菱電機(15年度4兆3943億円)とほぼ同じ規模になる。
東芝の売上高のピークは07年度の7兆2088億円。しかしその後、携帯電話や液晶、白物家電、医療機器の各事業を次々に売却した結果、15年度は5兆6687億円にまで減少した。
今後の注力事業と位置付けたインフラ事業は、15年度売上高が1兆3546億円だった。規模では半導体事業やエネルギー事業に肩を並べるが、営業損益は74億円の赤字。稼ぎ頭だったメモリー事業の営業利益1100億円との差は大きく、直ちに穴埋めするのは困難だ。
インフラ事業はエレベーターや照明、空調などのビル関係や鉄道が中心となるが、この分野は国内外にライバルが多く、競争環境は厳しい。さらに「財務の改善を支えるほどに育つには相当の時間がかかる」(S&Pグローバル・レーティング)とも指摘され、新たな収益計画の達成は容易ではない。
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