図解
※記事などの内容は2019年6月3日掲載時のものです
国内ドラッグストア業界で生き残りをかけた大手同士の再編が動きだした。1日には、7位のココカラファインが6位のスギホールディングスと経営統合の協議開始を発表。既に始まっている5位のマツモトキヨシホールディングスとの資本業務提携の検討も継続する。スーパーマーケットなど異業種を交えた競争が激しくなる中、規模拡大で収益力を高めるのが狙いだ。
いずれの組み合わせでも首位のウエルシアホールディングスを大きく上回り、売上高、店舗数ともに業界トップの巨大企業グループが誕生する。「台風の目」となっているココカラはより大きな成長につながる連携を選ぶ考えだ。
一方、3社統合の可能性について、マツモトキヨシは「提携はあくまでもココカラファインとの話。(スギを加えた)3社での話し合いは想定にない」(高橋伸治広報部長)と消極的な姿勢を示している。
ドラッグストア業界ではここ数年、大手がM&A(合併・買収)により、地場チェーンを取り込む動きが拡大。ウエルシアが昨年3月に同業の一本堂(東京)の全株式を取得したほか、ツルハは同5月に愛知県で薬局を展開するビー・アンド・ディーホールディングス(同県春日井市)を完全子会社化した。
高齢化による医薬品の需要増加を背景に、各社とも順調に成長してきたが、日用品や加工食品を中心にスーパーマーケットなど異業種との価格競争が激化。人手不足に伴う薬剤師の人件費高騰なども相まって、先行きには不透明感が漂う。大手の間で合従連衡や提携強化の動きが一段と加速するのは必至だ。
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