図解
※記事などの内容は2019年5月18日掲載時のものです
コンビニエンスストア大手各社が、まだ食べられる商品を捨てる「食品ロス」削減への取り組みを加速させている。売れ残った弁当類の実質的な値引きなどにより、無駄の削減や環境保護を目指す。24時間営業問題で一部加盟店との関係がぎくしゃくする中、店側が負担する廃棄コストを抑え、各店の収益底上げにつなげる狙いもある。
弁当類などの値引き販売をめぐっては、各社の本部が「定価で商品が売れなくなる」などの理由で推奨していない。このため、ほとんどの加盟店で実施されず、大量の売れ残り商品が廃棄処分されている。
こうした中、ローソンは昨年3月から常温で売る店内調理の揚げ物の値引きを容認。今年6~8月には愛媛県と沖縄県の全店舗で、消費期限切れが近い弁当類を買った客に「Ponta(ポンタ)」などの共通ポイントを還元する実験を行う。竹増貞信社長は「食品廃棄を減らし、店の利益にも効果をもたらす仕組みにしたい」と強調する。
同様の取り組みはセブン-イレブン・ジャパンも今秋から全国の約2万店で実施予定。廃棄する数時間前の弁当類を買った客に電子マネー「nanaco(ナナコ)」のポイントを付け、実質値引きで購買を促す。
一方、ファミリーマートは季節商品のおせちや恵方巻きなどを完全予約制にする。また、おでんの廃棄を減らすため、客の注文を受けてから調理する「レンジアップおでん」を2020年から希望する店へ導入する。
各社はここ数年、消費期限が長い「チルド弁当」や冷凍食品の種類を増やし、廃棄削減に取り組んできた。卸業者が飲料、菓子などを納品できる期限を延ばし、メーカーへの返品や廃棄を減らす動きも進んでいる。
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