図解
※記事などの内容は2019年10月2日掲載時のものです
関西電力の岩根茂樹社長ら経営幹部20人が、福井県高浜町の元助役(故人)から総額約3億2000万円相当の金品を受け取っていた問題で、関電は2日、このうち常務執行役員と元副社長がそれぞれ1億円を超える金品を受領していたなどとする社内調査報告書を公表した。
大阪市内で記者会見した岩根社長は「お客さまや社会の皆さまの信頼や気持ちを裏切り、改めて深くおわびする」と陳謝する一方、「先頭に立って原因究明、再発防止策に取り組む」と述べ、当面は辞任しない考えを示した。八木誠会長も「経営責任を果たしたい」と、当面は会長職を続ける意向を明らかにした。
報告書によると、岩根社長は元助役の森山栄治氏から金貨10枚(150万円相当)、八木会長は商品券や金貨、スーツなど859万円分を受領。鈴木聡常務執行役員が1億2367万円分、豊松秀己元副社長が1億1057万円分の金品を受け取った。
渡された金品は、各担当の退任時に一括して返却するなど大半を返却したが、スーツ仕立券や商品券など一部は儀礼の範囲として使われた。
報告書は、森山氏が高浜原発3、4号機の建設で誘致や地域の取りまとめに深く関わり、金品の提供は関電幹部に対する存在感を誇示しようとしたためと指摘。原発立地地域の有力者との関係悪化を恐れる意識が役員、社員にあり、たびたび暴言やどう喝に及ぶ森山氏の性格から、金品の拒否や返却が難しかったと結論付けた。
その上で、幹部はコンプライアンス(法令順守)上の認識が甘く、会社としても情報を共有し組織として是正しなかったと批判した。
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