図解
※記事などの内容は2019年10月17日掲載時のものです
農林水産省は17日、家畜伝染病「豚コレラ」の感染拡大防止に向け、自衛隊のヘリコプターを使って野生イノシシ用の餌型ワクチンを山林などに投下する方針を固めた。来月から始める。広範囲で大量に散布することで、ウイルスの「運び役」になっている野生イノシシの感染を一気に封じ込めたい考えだ。
現在は手作業でまいているが、感染拡大のスピードに追い付かないため、ヘリの活用に踏み切る。当面は国有林などで試験的に使用する方針だ。海外では、ドイツが餌型ワクチンの空中散布といった対策を講じ、豚コレラの撲滅に成功した例がある。
散布は現在、豚コレラが流行している中部地方全体を囲い込むよう、長野県や静岡県などで実施しているが、今後、野生イノシシの感染が今月新たに確認された群馬県を含む関東地方まで広げる。
農水省は今年3月から野生イノシシに対する餌型ワクチンの使用を開始。豚コレラが発生した地域を中心に長野、静岡を含む計9県で、委託業者らが手作業で約30万個のワクチンを散布してきた。
豚コレラは昨年9月、国内では26年ぶりに岐阜市内の養豚場で発生が確認された。現在、岐阜を含む10県に感染が拡大。10県では、養豚場の豚への予防的なワクチン接種が順次始まる。同時に野生イノシシの捕獲や、ウイルスを媒介する動物の侵入を防ぐための防護柵設置が進められている。
新着
会員限定