図解
※記事などの内容は2019年5月29日掲載時のものです
愛知県は29日、家畜伝染病「豚コレラ」の感染拡大を阻止するため、発生リスクが高い県内の一部養豚場で飼育している豚を、これまでより前倒しで出荷する方針を固めた。国の要請を踏まえた対応で、6月にも早期出荷を始める。1頭もいなくなった段階で、養豚場を徹底的に清掃するほか、感染源とみられる野生イノシシが豚に近づけないよう改修し、衛生管理を強化する。
農林水産省は4月、豚コレラが相次ぎ発生している愛知、岐阜両県に対し、感染したイノシシが見つかった場所から半径10キロ圏内の養豚場に早期出荷を促すよう求めていた。発生リスクが高い同圏内の養豚場は愛知県に2カ所ある。
養豚農家は通常、豚を半年程度育て大きくしてから出荷する。前倒しにより、豚1頭当たりの出荷額が全国平均の約3万9000円を下回った場合、国と県が差額を補填(ほてん)する。出荷基準に満たない子豚には約3万9000円を支給する。愛知県は6月の補正予算案に、養豚場の改修費など関連経費を計上する方針。
豚コレラは昨年9月、国内では26年ぶりに岐阜県内で発生。同県内では今月25日に、16施設目の感染が確認された。愛知県より頻発している岐阜県は、さらなる感染拡大を防ぐには豚に直接ワクチンを接種することが重要だと主張しており、早期出荷には慎重だ。
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