図解
※記事などの内容は2019年9月23日掲載時のものです
10月の消費税率10%への引き上げに伴い、1円玉の存在感が薄まりそうだ。電子マネーやクレジットカードによる「キャッシュレス決済」の普及で小額の硬貨の出番が年々減っているのに加え、今回の増税で切りの良い支払額が増えれば、1円玉の使用頻度はさらに低下しそうだ。
日銀によると、1円玉の流通枚数は現在約375億枚。約410億枚だった2002年をピークに減少傾向が続く。14年の税率8%への引き上げ後は需要が増えると見込まれていたが、基調は変わらず、約20年で1割近く減った。ニッセイ基礎研究所の櫨浩一専務理事は「電子マネーの普及や、数円の端数分の支払いに店のカードのポイントが使われているため」と分析する。
1円玉は16年以降、毎年50万枚前後が製造されているが、供給先はコレクション向けの「貨幣セット」用に限られる。
政府は消費税増税に合わせ、中小店舗でのキャッシュレス支払いに対し、購入額の最大5%を還元する制度を実施する。櫨氏は「政府のキャッシュレス推進もあり、税率が10%になれば1円玉の流通枚数は目に見えて減る」とみている。
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