図解
※記事などの内容は2019年5月15日掲載時のものです
スルガ銀行(静岡県沼津市)は15日、投資用不動産融資の全件調査結果を公表し、不正融資の総額が1兆円を超えたことを明らかにした。同行は、新生銀行、家電量販店のノジマとそれぞれ業務提携すると発表。資本面での提携も検討するとし、不動産融資に傾斜したビジネスモデルの転換を図り再建を目指す。
スルガ銀行は昨年10月、投資用不動産融資をめぐる問題について弁護士らに調査を委託。調査は4月下旬に終了し報告書がまとめられた。それによると、行員による不正は、疑いのあるものも含め6401億円(9388件)に上り、本来、顧客が支払う頭金を不動産業者が立て替えたと疑われるものが4300億円に及んだ。
沼津市内で記者会見した有国三知男社長は一連の不正について、「過度な営業実績主義が招いた結果で、大変反省している」と改めて陳謝した。
報告書では、銀行法が禁じている投資用不動産と無担保ローンの抱き合わせ販売がこれまでの判明分から倍増したことや、無担保ローンをめぐる詐欺的なデート商法に行員が関与していたことも明らかになった。
一方、業務提携では新生銀行と住宅ローンなど個人向けや事業承継など法人向けビジネスなどで協力。ノジマとはクレジットカードの共同事業化などに取り組む。
スルガ銀の2019年3月期の連結純損益は、971億円の赤字(前期69億円の黒字)で、通期としては02年3月期以来17年ぶりの赤字となった。20年3月期は、105億円の黒字転換を見込む。
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