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【図解・経済】偽造紙幣の発見枚数(2019年4月)

偽造紙幣の発見枚数

新紙幣、偽造防止に最新技術=現金ニーズは健在?

※記事などの内容は2019年4月27日掲載時のものです

 政府は2024年度に1万円札と5千円札、千円札の紙幣デザインを一新する。21年度には新500円硬貨も登場。キャッシュレス決済の普及に逆行するとの指摘もある中、紙幣・硬貨の刷新は巧妙化する偽造・犯罪防止が最大の目的だ。
 日本の造幣技術は海外でも高く評価されてきたが、警察庁によると、18年に1万円札だけで1523枚の偽札が見つかった。04年に比べ約6分の1に減ったとはいえ技術向上は欠かせない。新紙幣は傾けると肖像が立体的に浮かび上がる3次元(3D)ホログラムを世界で初めて採用したほか、新たに高精細なすき入れ模様を導入するなど多くの最新技術が盛り込まれる。
 1982年に登場した500円硬貨は、21年度の新硬貨が3代目。白銅や銅を用い、初の2色構造に変更され偽造対策も施される。
 現金大国の日本では、輸送費などを含め紙幣や硬貨を流通させるコストが年数兆円に上るとされる。政府は現在20%にとどまる電子マネーやクレジットカードを使ったキャッシュレス決済比率を欧米並みの40%に引き上げ、コスト減や訪日外国人客の利便性向上などにつなげたい考えだ。
 キャッシュレスの流れが強まる中、資金洗浄などに悪用される高額紙幣は「将来的になくした方が望ましいし、いずれなくなるだろう」(民間エコノミスト)との見方も広がる。欧州中央銀行(ECB)は最高額の500ユーロ(約6万2000円)札を廃止。だが、5月には100ユーロ(約1万2000円)札などを刷新し、キャッシュレス先進国とされるスウェーデンも15年に1000クローナ(約1万2000円)札のデザインを変更した。
 貨幣問題に詳しい東短リサーチ(東京)の加藤出社長は「世界で最も高齢化が進み、非常時に現金が必要となる自然災害も多い日本で、拙速にキャッシュレスを進めるのは困難だ」と話し、現金へのニーズは当面なくならないとみている。 

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