図解
※記事などの内容は2019年4月9日掲載時のものです
2024年度上半期に予定される新紙幣の発行は、現金自動預払機(ATM)や自動販売機の改修・更新などを通じて関連業界に1.6兆円の特需をもたらす見通しだ。一方、低金利の長期化で国内の収益力低下に苦しむ金融機関には、改修は負担となる可能性がある。
第一生命経済研究所の永浜利広首席エコノミストの試算によると、新しい1万円札、5千円札、千円札と、500円硬貨の発行に伴う原材料やインクなどの需要で6114億円、機械の改修と買い替えでATMメーカーに3724億円、自販機メーカーに6064億円と、計約1.6兆円の特需が発生する。
ただ、名目GDP(国内総生産)の押し上げ効果に換算すると、2年間で計0.2%増程度。「景気に大きな影響は与えない」(永浜氏)ようだ。
一方、金融機関にとって、ATMや両替機などを新紙幣に対応させることは「コストになる」(大手銀行)。「紙幣を識別するソフトウエアの更新で済む」(別の大手銀行)のか、ATMの入れ替えが必要になるのか、当面は静観の構えだ。
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