図解
※記事などの内容は2018年1月29日掲載時のものです
仮想通貨取引所大手のコインチェックが外部から不正アクセスを受け、顧客から預かっていた仮想通貨「NEM(ネム)」がほぼ全額流出する事態が起きた。取引所は顧客の仮想通貨をどう管理しているのだろうか。
-仮想通貨を入手する方法は。
まず取引所に口座を開設し、インターネット上で取引所と相対で現金などと交換して入手できる。仮想通貨は口座に入れておき、送金や決済などに使う。
-取引所は口座をどう管理しているの。
大きく分けて二つの方法がある。ネットに常時接続したコンピューターなどで管理する「ホットウォレット」と、ネットと遮断した状態で保管する「コールドウォレット」があり、取引所は仮想通貨を分けて管理している。
-なぜ二つのウォレットが必要なの。
用途の違いだ。ホットウォレットは決済や送金などの指示を迅速に処理できるけど、ネットに常時接続しているため、不正アクセスのリスクがある。コールドウォレットは、安全性が高い一方、直接、決済や送金をすることができないんだ。
-使い分けは誰が行うの。
取引所が行う。決済や送金に使われる額を想定してホットウォレットに入れ、大半はコールドウォレットに入れておくのが一般的だ。その比率を1対9と説明する業者もいるよ。金融庁も原則、コールドウォレットで管理するよう促している。
-他の安全対策は。
取引所は、顧客の指示を受けてウォレットを操作するための電子的な鍵を持っている。一般的には複数の鍵を掛け、一つが盗まれても不正送金しにくいようにしている。ただ、鍵は取引所が導入するものなので、今回の流出で顧客ができる対策は限られていたと考えられている。
-なぜ、ネムは流出したの。
コインチェックは、取り扱っている十数種類の仮想通貨のうち、ネムに関してコールドウォレットを使わず、全額をホットウォレットで管理し、鍵も一つしかなかったと説明した。技術面、人材面で十分な対応ができていなかったそうだ。だけど、顧客資産を適切に管理するのは当たり前のことで、金融庁は安全対策が甘かったと見ているんだ。
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