図解
※記事などの内容は2017年6月2日掲載時のものです
日銀が保有する国債をはじめとした有価証券などの総資産が、初めて500兆円を突破した。異次元緩和の一環で国債を大量に購入したためで、国内総生産(GDP)に迫る規模に拡大した。日銀は2%の物価上昇目標実現へ国債購入を続ける方針で、今後、GDPを上回るのは確実な情勢だ。
日銀が2日発表した営業報告によると、5月末時点の総資産は500兆8008億円で、異次元緩和前の2012年度末(164兆8127億円)の3倍強に増えた。GDPとの比較では、3割超から9割を超える水準に大きく膨らんだ。欧米では、資産規模がGDPの4割を下回る中央銀行が多く、デフレ脱却へ苦闘を続ける日銀の突出ぶりが際立つ。
日銀は昨年9月、長期金利の誘導策を導入。その後、国債の購入ペースを減速させたとはいえ、大規模な買い入れを続けていることに変わりはない。今年5月1日には長期金利の指標となる新発10年物国債の取引が約半年ぶりに不成立となり、日銀の買い占めに対する警戒感が強まっている。
新着
会員限定