図解
※記事などの内容は2019年7月10日掲載時のものです
かんぽ生命保険と、郵便局を運営する日本郵便は10日、外部有識者を交えた第三者委員会を設置し、計9万3000件規模に上る恐れがある不適切販売の再発防止に向け、実態調査や原因究明を急ぐとともに、背景となった過剰な営業ノルマを是正すると発表した。第三者委は親会社の日本郵政を含む3社で近く設置。かんぽ生命が今後講じる無保険者らの救済措置を監視する。
かんぽ生命によると、2019年3月までの5年間で、営業担当者が乗り換えを勧めておきながら、健康上の理由で新たな契約が結べずに無保険となった事例が約2万3900件に上った。また、営業手当の目減りを防ぐため、16年4月以降、顧客が半年以上にわたり新旧契約の保険料を二重に支払っていたケースが約2万2000件、逆に一時的に無保険となった事例も約4万7000件あった。
同社は救済措置として、無保険の間にかかった入院費用などは旧契約に基づいて保険金を支払う。実態調査を踏まえ、過剰な保険料を払い戻すほか、現在加入している保険を解約せず新契約に移行できる制度も導入する。顧客に不利となる乗り換え推奨は今月から取りやめた。
かんぽ生命の植平光彦社長は東京都内で記者会見し、「多数の客に不利益を生じさせ、深くおわび申し上げる。全社体制で真摯(しんし)に対応していく」と謝罪。日本郵便の横山邦男社長も「旧態依然で顧客本位の営業ができていなかった」と頭を下げた。
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