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【図解・経済】国債の利回り曲線「イールドカーブ」(2019年3月)

国債の利回り曲線「イールドカーブ」

「逆イールド」は景気後退の予兆?=米国で過去現実に-ニュースを探るQ&A

※記事などの内容は2019年3月25日掲載時のものです

 週明けの東京市場では株安・円高の進行とともに、長期金利は急低下(債券価格が急上昇)した。きっかけは、米国の債券市場で起きた長短金利の逆転で「逆イールド」とも呼ばれる。景気後退の予兆とされるが、一体どんな現象なのか。

 -米国で何が起きたの。

 長期金利の指標とされる償還期間10年の国債利回りが急低下して、3カ月物の利回りを下回ったんだ。金利は大きく分けて返済までの期間が1年超の長期と1年以下の短期に分かれ、償還期間が長い国債の利回りが短い国債を下回るのは異例だ。

 -普段はどうなっているの。

 一般的には、期間が長い国債ほど資金回収リスクが高いため、長期金利が短期金利を上回ることが多い。このため、償還期間が異なる国債の利回りをつないでグラフ化した「イールドカーブ」は右肩上がりの姿になるんだけど、逆イールドは対称的に右肩下がりになる。

 -なぜ長期金利が低下したの。

 長期金利は将来の景気に関する市場の観測や思惑に左右されやすいよ。米国や欧州で経済指標が悪化したことなどを受けて先行き懸念が増大したから低下した。一方、米国では目先の金融政策の影響を受ける短期金利の低下は限定的で、逆イールドが発生したんだ。

 -景気後退になるの。

 米国では過去に逆イールドが発生した1、2年後に景気後退に陥った経緯があり、「逆イールドは景気後退の予兆」とする見方が少なくない。確証はないが、市場関係者の間で警戒感が強まっている。

 -日本への影響は。

 海外の動向次第で国内の長期金利が今後、一段と低下する可能性はある。ただ、市場の反応は行き過ぎているとの指摘もあり、消費や生産、輸出などの指標が改善して先行き懸念が後退すれば、下げ止まるとの見方もあるよ。

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