図解
※記事などの内容は2019年1月2日掲載時のものです
日本経済は2019年に試練を迎えそうだ。12年12月から続いている景気拡大は19年1月で6年2カ月となり、戦後最長の「いざなみ景気」(02年2月~08年2月の6年1カ月)を超える。政府は19年度も内需を中心とした堅調な景気回復を見込んでいるが、米国と中国の貿易摩擦などから世界景気が冷え込むリスクがある。18年末に世界中で起きた株安も景気の先行きに影を落としている。
19年10月には消費税率が10%に引き上げられる。しかし、政府による需要の反動減対策は手厚く、国内総生産(GDP)の過半を占める個人消費を下支えするとの見方が、民間エコノミストの間では主流だ。5月の新天皇即位に伴う改元に関しては、「平成に根付いたデフレマインドが転換する」(みずほ総合研究所の高田創氏)好機になるとの期待も出ている。
一方、米中貿易摩擦や米利上げから世界景気が冷え込めば、日本経済をけん引する輸出が縮小しかねない。エコノミストは、今後注視するリスクとして「米保護主義や中国経済の悪化」(三菱総合研究所の武田洋子氏)、「米中貿易戦争激化の余波による輸出減」(BNPパリバ証券の河野龍太郎氏)などを挙げる。
これらの懸念が顕在化した場合、現在の景気拡大が終わる可能性のある時期について、高田氏は「19年後半」、河野氏は「19年後半以降」、大和総研の小林俊介氏も「19年度以降」と指摘する。世界的な株安が1月以降も続けば、世界景気の足を引っ張り、日本に波及する可能性もある。景気拡大を続けるにはさまざまな難路をくぐり抜ける必要がありそうだ。
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