図解
※記事などの内容は2019年5月30日掲載時のものです
2020年春卒業予定の大学生らを対象とした面接や筆記試験などの選考活動が6月1日、主要企業で始まる。ただ、人手不足が深刻化する中、優秀な学生を早めに囲い込もうとする動きが加速。内定率が5月初頭で5割を超えたとの調査もあり、就職活動戦線は既に終盤に差し掛かっている。
リクルートキャリア(東京)によると、5月1日時点の大学生(大学院生除く)の内定率は前年と比べ8.7ポイント増の51.4%。12年に調査を始めて以来、最も高い数値となった。同社は「採用難に加え、ゴールデンウイークが10連休となり、採用活動の遅れを懸念する企業が内定を前倒しする動きが広がった」と分析している。6月1日の内定率がさらに高まっているのは確実だ。
経団連は指針で、採用活動の開始時期について、新卒採用に関する広報・説明会を3月1日以降、面接などの選考を6月1日以降と定めている。しかし、指針には罰則がなく、深刻化する人手不足を背景に、学生の獲得を急ぐ企業が後を絶たない。既に面接を行っている食品メーカーは「辞退者がある程度出ることも考えると、早めに動かざるを得ない」と指摘する。
一方、多くの企業が採用活動を前倒ししているにもかかわらず、就職情報大手ディスコ(東京)が5月上旬に実施した調査では、回答企業約1100社のうち48%が「苦戦している」と答えた。十分な応募者数を確保できないケースや、内定を得ても就職活動を続ける学生が多い中、学生のつなぎ留めに苦慮する企業も多いという。
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