図解
※記事などの内容は2018年5月28日掲載時のものです
2019年春卒業予定の大学生らの就職活動は、面接などの選考が6月1日に解禁され、本格化する。人手不足を背景にした「売り手市場」が続く中、学生の大企業志向が強まっている。
リクルートワークス研究所によると、従業員5000人以上の企業を目指す19年卒予定の大学生・大学院生は18年卒と比べ約12%増の13万8800人。ただ、採用枠は約5%増の5万1400人で、希望者1人当たりの求人数を示す求人倍率は0.37倍にとどまっている。
就職情報大手ディスコの武井房子上席研究員は「周囲の期待などから大手志向になっているが、採用が大きく増えているわけではない。いつの時代でも狭き門」と指摘する。
従業員300人未満の企業では、希望者数が求人数を大きく下回る状況が続く。19年卒の求人数46万2900人に対し、希望者数は約1割の4万6700人。中小企業が敬遠される背景には「大手と比べ待遇面が劣っているイメージ」(同研究所)などがあるという。
一方、今年は売り手市場を理由に就職を楽観している学生が多いようだ。ディスコの調査では、「1学年上の先輩と比べ就職戦線が楽になる」と考える19年卒の学生は50.4%(昨年11月時点)と、18年卒に同様に聞いた際の約2倍に上る。
明治大学就職キャリア支援センターの担当者は「売り手市場と聞き、『楽に決まりそう』『大手から内定をもらえそう』と考える学生が少なくない。出足の早い学生と遅い学生など二極化も進んでいる」と話している。
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