図解
※記事などの内容は2019年5月23日掲載時のものです
【マルバール(フィリピン北部)時事】拡大を続けるアジアの二輪車市場で、日系メーカーが工場の生産能力増強や商品力向上を加速している。ヤマハ発動機は23日、フィリピンの生産工場を報道陣に公開。ホンダもアジアでの投資拡大を予定しており、成長市場でのシェア拡大に向けた動きが活発化している。
インドネシア、タイ、ベトナム、フィリピン、インドの5カ国の2018年の二輪車販売台数(インドは出荷台数)は、前年比9%程度伸び、計3500万台に迫った。4年前と比べると伸び率は25%近くに達する。国内市場の停滞が長引き、日本のメーカーがアジアに収益の多くを依存する構図が鮮明になっている。
ベトナムでは、「ホンダ」の企業名が二輪車そのものを指すなど、ホンダのシェアは圧倒的。タイでは中・大型バイクが伸びつつあり、欧州メーカーが本格的に参入し始めている。インドは現地メーカーの存在が大きいが、アジア最大規模とされる市場は、日本のメーカーにとっても魅力的だ。
ホンダは18年秋、インドのスクーター専用工場の生産能力を20年までに約1割高め、700万台とする計画を発表し、さらなる投資も検討中だ。スズキもアジア地域で需要の高い製品を投入し販売回復を目指すとしており、川崎重工業は中・大型バイクに注力していく予定。
ヤマハ発のフィリピン国内の販売台数は、スクーター人気に支えられ、18年は34.3%増の53万9000台となった。現地法人の営業統括役員は「バイクを初めて購入する初心者の割合が高まっており、運転の楽なスクーター需要はまだ伸びる」と説明。品質向上やデザイン性を追求してブランド力を高め、若者や女性の取り込みを図っていく方針だ。
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