図解
※記事などの内容は2019年4月7日掲載時のものです
日産自動車は8日、東京都内で臨時株主総会を開き、不正問題が発覚した前会長カルロス・ゴーン容疑者と、側近の前代表取締役グレッグ・ケリー被告を取締役から解任する議案を提案し、承認された。ゴーン容疑者は日産の全役職を失い、約20年にわたるゴーン体制に完全に終止符が打たれたことになる。総会では、連合を組むフランス自動車大手ルノーのジャンドミニク・スナール会長を新たに取締役に選任した。
西川広人日産社長は総会の冒頭、「経営トップの不正という前代未聞のことが起こった。大きなけじめの総会だ」と指摘。株主からは「経営陣にも大きな社会的責任があり、総退陣すべきだ」との声も出た。西川氏は「責任を非常に重く受け止めている」と陳謝した一方、当面は企業統治改革などに全力を挙げる考えを示した。総会には4000人余りの株主が出席し、約3時間で終了した。
ゴーン容疑者は昨年11月、有価証券報告書に役員報酬を過少に記載したとして、東京地検特捜部に逮捕された。日産は、内部調査で経費の不正流用も見つかったとして、逮捕直後に会長職を解任。ゴーン容疑者はその後、会社法違反(特別背任)罪でも起訴された。
ゴーン容疑者は6月に三菱自動車の取締役からも解任される。ルノー取締役は辞任する予定だ。一方、スナール氏は日産取締役会の副議長に就任し、ルノーとの調整役となる。
日産は、ゴーン容疑者への権限集中が不正を招いたとみている。6月末には、社外取締役の経営監督機能が強い「指名委員会等設置会社」への移行を目指す。
ゴーン容疑者は1999年、日産と資本提携したルノーから再建のために送り込まれ、最高執行責任者(COO)に就任。大規模なリストラを断行し、業績をV字回復させた。2000年から社長を務め、17年4月に会長となった。
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