図解
※記事などの内容は2018年11月16日掲載時のものです
【広州時事】日系自動車各社が中国で電気自動車(EV)の投入を急いでいる。低公害のEVなど「新エネルギー車(NEV)」の普及を促す新たな環境規制が来年導入されるためで、日産自動車や一部欧米メーカーは既に発売。トヨタ自動車なども投入準備に本腰を入れており、世界最大の自動車市場・中国でEV競争が本格化する。
中国汽車(自動車)工業協会によると、2017年のNEVの販売台数(商用車含む)は、EVを中心に前年比5割増の約78万台に上った。
年間2800万台を超える新車の市場規模に比べるとわずかな台数だが、排ガスによる大気汚染が深刻な中国ではEVへの注目度は高い。日産の合弁会社・東風汽車有限公司の内田誠社長は「需要は急速に伸びており、われわれにとって好機だ」と意気込む。
19年には年3万台以上を生産・輸入するメーカーが一定割合のNEVの生産・販売を義務付けられる。中国政府は、20年のNEV販売を200万台、25年には新車全体に占める割合を20%以上にする目標を掲げる。
日系各社でも、トヨタは20年にスポーツ用多目的車(SUV)のEV2車種を発売。日産は19年までに計5車種投入し、ホンダは年内にも合弁会社の現地ブランドで販売を始める。三菱自動車は合弁会社がEVを発売した。
中国では政府がEVメーカー育成を進めた結果、数十社の新興勢力が乱立しているという。ただ、EV購入の補助金が20年末に終了する予定で、みずほ銀行国際営業部の湯進主任研究員は「上位2~3社しか生き残れない」と予測する。中国勢の淘汰(とうた)は日本各社に追い風となりそうだ。
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