図解
※記事などの内容は2018年11月6日掲載時のものです
トヨタ自動車が6日発表した2018年9月中間連結決算は増収増益となり、19年3月期通期の業績予想も上方修正した。ただ米中間選挙でも焦点となっている保護主義的な米通商政策はリスク要因として残る。同社は、世界的な生産体制の見直しも視野に入れた対応を迫られる。
トヨタの業績をけん引するのはアジアだ。同地域での9月中間の営業利益は2762億円と、前年同期から3割増えた。世界最大市場となった中国で中型セダン「カムリ」などの販売が好調だったためで、競争が激化する北米(1372億円)の約2倍まで利益が膨らんだ。トヨタは中国、北米の両地域を「重要市場」と位置づける。
だが米中の貿易戦争により、世界的なサプライチェーン(供給網)への影響や中国市場自体の減速が懸念される。また米国、カナダ、メキシコは北米自由貿易協定(NAFTA)を見直し、域内で関税が免除される自動車部品の現地調達比率を62.5%から75%に引き上げる。6日の決算記者会見で、小林耕士副社長は「ハイブリッド車(HV)部品を順次現地生産することを考えている」と説明した。
トランプ政権は日本に対して自動車や同部品への最大25%の追加関税をちらつかせており、中間選挙の結果次第では強硬措置に訴える可能性も否定できない。小林氏は「国内生産300万台(維持)にはこだわりたい」と強調したが、現地生産強化と国内生産・雇用維持のバランスをどう取るかが引き続き課題となりそうだ。
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