図解
※記事などの内容は2019年8月8日掲載時のものです
財務省が8日発表した2019年上半期(1~6月)の国際収支速報では、輸送や旅行などの「サービス収支」が2316億円の黒字(前年同期3339億円の赤字)となり、比較可能な1996年以降、半期ベースで初めて黒字に転換した。上半期に1600万人を突破した訪日外国人数の伸びを追い風に、旅行収支が過去最高の黒字を記録したことが主因だ。
旅行収支は、外国人旅行者が日本で使った金額から日本人が海外で使った額を差し引いたもの。14年下半期(7~12月)以降、一貫してプラスを維持し、黒字額はおおむね右肩上がりに拡大。19年上半期は1兆3199億円に達した。
サービス収支を構成する旅行以外では、研究開発を目的に海外の企業に支払う費用が減ったことなども、全体の収支改善と黒字転換に寄与した。
SMBC日興証券の宮前耕也シニアエコノミストは、旅行収支の安定した伸びがサービス収支の黒字に貢献していると指摘。長引く米中貿易摩擦を背景とした円高や日韓関係悪化といった懸念材料を示しつつも、「来年の東京五輪まで訪日客の増加傾向は変わらないだろう」とみている。
新着
会員限定