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ゴホッ、ゴホッ。肺の奥から絞り出される重いせき。発熱と、喉の痛み。1998年2月初め、私はサポート役のジョンさんらとともに許可を得て、標高3400メートルにある台湾の気象観測所で寝泊まりしていました。そこからよく見える玉山からスキーで滑降するために待機していたのです。しかし日本で風邪を引き、治らないまま山に来てしまった私は、なかなか良くならない体調に苦しんでいました。
観測所に暖房はあっても、暖かいのは一部の部屋だけ。外気温はマイナス8度。コンディションは最悪です。それでも「やるしかない」と決意しました。「少しでもトレーニングをしておかなければ…」。外は濃いガスと雪で視界が悪い状況でしたが、勇気を振り絞って観測所の裏にある急斜面に向かいました。
〔写真〕玉山は殆どが急斜面で、崖滑りになりました。(1998年02月撮影) 【時事通信社】