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とがった岩と雪の山へ、ヘリコプターはイタリアの航空圏からゆっくりと近づいて行きました。頂上すれすれで絶妙なホバリングをした後、ドアが開きました。
「飛び降りろ!」
ガイドが大声で叫びます。私は何も持たずに飛び降りました。衝撃を減らすために、着地と同時に寝転がりました。切り立った尾根の幅は、ほんの1メートルほどしかありませんでした。
スキーブーツが埋まるぐらいの雪。歩を進めると雪は崩れ、雪玉が50度近い斜面をコロコロと転がり落ちてすぐに見えなくなりました。そこから200メートルほど下の北斜面はさらに急で、80度にも及ぶ断崖絶壁になります。そこは標高4478メートルのマッターホルン頂上。スイスとイタリアの国境ラインが通り、人ぐらいの大きさの十字架が目印として立っています。
1985年5月24日。私はそこから世界初のスキー滑降に挑みました。
〔写真〕 南極大陸最高峰、ビンソンマシフからの大滑降シーン。頂上直下のシーンで、宇宙を滑っているようでした。
今回のマッターホルンから、最終回の南極冒険スキーまで、計10回の冒険記録を次のページから克明にお伝えします-和田好正- 【時事通信社】