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女子高等教育の発展に尽力し、ベストセラー「置かれた場所で咲きなさい」の著者としても知られるノートルダム清心学園理事長の渡辺和子(わたなべ・かずこ)さんが30日、膵臓(すいぞう)がんのため岡山市の修道院で死去した。89歳。北海道出身。葬儀は近親者のみで行い、後日お別れの会を開く予定。
1927年、陸軍教育総監を務めた渡辺錠太郎の次女として誕生。36年に起きた青年将校のクーデター二・二六事件に遭遇し、凶弾に倒れる父の最期を見届けた。56年に29歳で修道院に入会。ボストン大大学院博士課程を修了後、62年ノートルダム清心女子大教授に就任し、翌63年には36歳の若さで学長に。90年に理事長に就任した。
84年のマザーテレサ来日の際には通訳を務めたほか、全国での講演活動など多方面で活躍。2012年に出版した著書「置かれた場所で咲きなさい」は生き方に悩む多くの人の共感を呼び、200万部を超えるベストセラーとなった。今年春の叙勲では、旭日中綬章を受章した。
写真は2016年4月に撮影 【時事通信社】