韓国の海軍力 写真特集

1/10

スクロールで次の写真へ

イージス駆逐艦 世宗大王(セジョンデワン)

 韓国初のイージスシステム搭載型ミサイル巡洋艦セジョンデワン級の1番艦で、2008年12月に就役した。同型艦は栗谷李珥(ユルゴクイイ)、西厓柳成龍(ソエリュソンニョン)の2隻があり、それぞれ10年、12年に就役した。
 米海軍のイージス駆逐艦アーレイ・バーク級フライトIIAを参考に建造したとされ、外見は酷似している。ただ、全長は165.9メートル、全幅21メートルと船体サイズは一回り大きく、満載排水量も1万455トンと1万トンを超えている(アーレイ・バーク級フライトIIAは全長153.8メートル、全幅20.3メートル、満載排水量9425トン)。機関は韓国のサムスンテックウィン社がライセンス生産したゼネラル・エレクトリックLM2500ガスタービンエンジンを4基搭載、可変ピッチ式プロペラ2軸推進で、10万5000馬力の出力を発揮し、最大速力は30ノット、航続距離は9260キロとされている。
 同時多目標の迎撃を可能にするイージスシステムは、SPIYD(V)型フェーズドアレーレーダーを使用するベースライン7で、弾道ミサイル防衛(BMD)能力はない。武装は、62口径127ミリ単装砲1基、40セルのスタンダードSAM(艦対空ミサイル)用VLS(垂直発射機)2基、48セルのSLCM(海上発射型巡航ミサイル)とSUM(対潜ミサイル)兼用VLS1基、SSM(艦対艦ミサイル)4連装発射筒4基、RAM近接防御SAM21連装発射機1基、ゴールキーパー30ミリ近接防御火器1基、324ミリ3連装短魚雷発射管2基と、艦隊防空、個艦防空、対艦攻撃、対地攻撃、対潜攻撃のすべてをこなせる装備がそろっている。このうち、SLCMの天竜、SUMの赤鮫、SSMの海星はいずれも国産品。なお、船体後部に飛行甲板と格納庫を備え、英ウエストランド社(現アグスタ・ウエストランド社)製スーパーリンクス対潜ヘリコプター2機を搭載している。セジョンデワン級が手本にしたアーレイ・バーク級フライトIIAより大型になったのは、これだけの重武装をしたためだが、指揮管制システムや航空関連装備、弾庫などのスペースを考えると、このサイズでも船内はかなり手狭で、乗組員の居住環境にも影響があるとみられる。(2019年08月25日) 【EPA時事】

ページの先頭へ
時事通信の商品・サービス ラインナップ