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「今朝、法務局から日本国籍取得の電話があった。待っていた知らせでした。大変うれしいです」―。2012年3月8日、自宅がある東京都北区の区役所を訪れた日本文学研究者のドナルド・キーンさん(89)は、職員の拍手に迎えられて記者会見場に入ると、何度も顔をほころばせた。
約2年前に病気をした頃から、日本永住の気持ちが高まり、昨年の東日本大震災で決断した。海外へ避難する外国人もいる中、「私は違う。日本を信じているということを知らせたかった」。
言葉遊びが好きで、名前を「鬼怒鳴門」と書いた名刺も作った。「使うのは人を笑わせるときです」と会場を沸かせ、会見終了後に早速、記者らと名刺交換していた 【時事通信社】