日本海軍の航空母艦 写真特集

加賀

 大改装前の加賀を右舷前方から捉えた写真。当時の艦橋は飛行甲板上になく、最上段と2段目の飛行甲板の間に設けられていた。戦艦から改造された加賀は、巡洋戦艦だった赤城よりも全長が短く、最上段の飛行甲板の長さも171.3メートルと、新造時の赤城(190.2メートル)より短かった。赤城との最大の相違点は推進機関からの排気方法で、赤城が短い煙突2本を右舷中央部に設けたのに対し、加賀は両舷に長大なダクトを設置して艦尾まで排気を導く方法を採用した。

 ダクト導引方式は、排気煙が飛行甲板上に漂って艦載機の発着艦の邪魔にならないようにするのが目的だったが、艦尾まで導かれた排煙がかえって気流を乱し、着艦を難しくした。また、ダクトの内側にあった准士官の居住区は、排煙の熱で焦熱地獄となり、乗組員の居住性は著しく悪かった。搭載機数は60機で赤城と変わらなかったが、速力が低い分、空母としての実用性もいま一つだった。

 そこで、赤城に先んじる形で34(昭和9)年6月から大改装に着手、1年をかけた工事で飛行甲板を1段にし、アイランド型艦橋を設けた近代的な空母に生まれ変わった。翌35(昭和10)年11月には第2艦隊第2航空戦隊に編入され、日本海軍の主力空母として日中戦争に投入された 【時事通信社】

写真特集

  • 1

新着

会員限定

ページの先頭へ
時事通信の商品・サービス ラインナップ