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スペイン東部カタルーニャ自治州で起きた車突入連続テロをめぐり、警察当局は21日、バルセロナ近郊でユネス・アブーヤアクーブ容疑者(22)を射殺したと発表した。同容疑者は17日の130人超が死傷したバルセロナのテロ現場から車を乗り捨てて逃走し、当局が行方を追っていた。死亡時には自爆ベルトを装着していたが、偽物だったという情報もある。
バルセロナの現場で犯行車両に乗っていたのは同容疑者だけだったとみられ、行方が分からなくなっていた主犯格の1人。事件は発生から4日で重大な局面を迎えた。
警察は射殺に先立ち同容疑者の身元を特定したと発表、ツイッターで容疑者が「武装している可能性がある」と警告し、名前と顔写真を公開して情報を求めていた。スペイン当局は、容疑者が国外に逃亡した可能性を排除できないとして、欧州各国に情報を伝えていた。
また、当局は、一連の事件の犠牲者に、バルセロナ近郊で車内から遺体が発見された男性が加わり、計15人になったと発表した。アブーヤアクーブ容疑者が逃走中、車を奪うために殺害した男性とみられる。
同州南部アルカナーの民家を拠点としていたテロ実行犯のグループが、高性能爆薬「TATP」を民家で製造していた疑いも浮上した。TATPは過去に、過激派組織「イスラム国」(IS)がテロに使用したことがある。
AFP通信が伝えたアルカナーの近隣住民の証言によると、グループが民家を拠点とし始めたのは今年4月ごろ。住民の一人はメンバーの様子について「あまり話さず、扉を閉め切り、家の中からは何も聞こえなかった」と証言、周囲との交流はほとんどなかったもようだ。
民家では事件直前の16日、爆弾製造中の事故とみられる爆発が発生。爆弾の素材を失い、グループは「爆破テロ」を断念したとみられる。警察は当初、単なるガス漏れと判断、本格的な捜査を行わなかったが、その後の捜索でTATPの材料が見つかった。
近隣では民家に出入りするメンバーの異様な雰囲気から、テロリストではないかと疑念を抱いていた人々もいたようだ。別の住民は「時々異臭がしたので警察に連絡したが、取り合ってもらえなかった」と話した。