「ボクサーを語ろう」 写真特集

                沼田 義明(2)

   沼田といえば「精密機械」に「右アッパー」。スピードとテクニックを駆使して、自分の距離で戦う時の沼田は強かった。最初に世界王者となったフラッシュ・エロルデ戦も、先にダウンこそ奪われたが、距離を制してからは10度も世界王座を防衛し続けた名王者を翻弄(ほんろう)し完勝した。
  自分の距離を失った時のもろさをはっきり示したのが、このタイトルの初防衛戦。相手は「雑草男」と言われた小林弘。初の日本ジム所属選手同士の世界タイトルマッチだった。この試合で沼田は前半優位に戦いながら、6回に小林の伝家の宝刀、右クロスカウンターを浴びてダウン。以後、相手の距離で戦うことを余儀なくされ、12回にKOされてタイトルを失った。

  写真は、世界J・ライト級タイトルマッチで沼田義明(右)が王者フラッシュ・エロルデを判定で破り、王者に就く(東京・蔵前国技館)(1967年06月15日) 【時事通信社】

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