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揺らぐウクライナ長期支援 欧州の選挙で与党苦戦―加盟国の足並み乱れ・NATO

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北大西洋条約機構(NATO)のストルテンベルグ事務総長=8日、ワシントン(AFP時事)

北大西洋条約機構(NATO)のストルテンベルグ事務総長=8日、ワシントン(AFP時事)

 【ワシントン時事】北大西洋条約機構(NATO)は9日に開幕する首脳会議で、ロシアの侵攻が続くウクライナへの長期支援策を打ち出す。ただ、ロシアに融和的なハンガリーは支援に協力しないことを決めており、加盟国の足並みがそろっているわけではない。「支援疲れ」が広がる欧州諸国の選挙では、与党が軒並み苦戦。支援を支える足元が揺らいでいる。

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 ◇「全会一致」を優先

 NATOのストルテンベルグ事務総長は5日、首脳会議では侵攻開始後のウクライナ支援の水準を維持し、来年も少なくとも400億ユーロ(約7兆円)規模の軍事支援を行うことで合意する見通しだと説明。ウクライナ軍への訓練実施なども主導する方針で、「非常に強力な(支援)パッケージだ」と強調した。同国の将来的なNATO加盟も再確認する。

 ストルテンベルグ氏は当初、5年間で1000億ユーロ規模の支援を提案したとされる。しかし、欧州メディアによれば、加盟国から「負担をどう分担するのか」などと疑問が呈され、修正を余儀なくされた。提案に反対したハンガリーには先月、ストルテンベルグ氏が出向いてオルバン首相と会談。支援に加わらない立場を「受け入れる」と譲歩する代わりに、合意には「反対しない」との確約を取り付けた。形だけでも「全会一致」を優先させたと言える。

 NATOには、ウクライナ支援に後ろ向きな傾向がさらに広がることへの警戒感が強い。とりわけ米議会では昨年から今年にかけて、支援を盛り込む予算案の審議が野党共和党の反対で停滞。同盟軽視の姿勢が目立ち、在任中にはNATO離脱もちらつかせたトランプ前大統領が返り咲く可能性が「一段と強まっている」(外交筋)ことも懸念材料だ。

 ◇極右伸長相次ぐ

 欧州でも不透明感が高まっている。欧州連合(EU)欧州議会選では右派・極右が伸長。フランス国民議会(下院)選でも中道与党が後退し、マクロン政権を批判する左派と極右が勢力を伸ばした。英総選挙ではスナク首相(当時)率いる保守党が惨敗。NATOの次期事務総長の出身国オランダでは、極右中心の政権が誕生した。

 こうした国でも、対ウクライナ政策が直ちに変わるわけではないとみられる。それでも、侵攻が3年目に入り「NATO内の欧州諸国(の政権基盤)が弱体化した」(仏メディア)側面は否めない。

 今回の首脳会議での合意を通じ、NATOはこれまで米国に依存してきた支援の調整で、主体的な役割を担いたい考え。ストルテンベルグ氏はこれによって「より予見可能性が高まる」と主張する。ただ、ウクライナでロシア軍が攻勢を強める中、西側諸国の支援遅れ解消につながるかは見通せない。

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