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米オープンAI、統治懸念が再燃 CEO解任劇、元取締役が内幕暴露

配信
米オープンAIのアルトマン最高経営責任者(CEO)=2月21日、カリフォルニア州サンノゼ

米オープンAIのアルトマン最高経営責任者(CEO)=2月21日、カリフォルニア州サンノゼ

 【シリコンバレー時事】生成AI(人工知能)「チャットGPT」を手掛ける米オープンAIの企業統治に対する懸念が再燃している。昨年のアルトマン最高経営責任者(CEO)解任劇を巡り、元取締役が同氏の不誠実さが背景にあり、安全な開発を監督する責務が果たせなくなったなどと内幕を暴露。高度な安全対策の責任者が相次ぎ退社したことも、疑念を深めている。

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 ◇「真っ赤なうそ」

 「アルトマン氏は何年もの間、情報を隠し、時に取締役会に真っ赤なうそをついた」。AI研究者のヘレン・トナー氏は、ポッドキャストでこう非難した。人類のためのAI開発を掲げるオープンAIの運営は、非営利団体が監督している。同氏はアルトマン氏がCEOに復帰するまで、団体の取締役を務めていた。

 トナー氏は、アルトマン氏の不誠実さを示す具体例として、2022年のチャットGPT公開に際し、事前に説明しなかったことを挙げた。トナー氏が論文で、競合他社を高く評価したことに不満を抱いたアルトマン氏が、他の取締役にうそを伝えてトナー氏を解任しようとしたことで、不信感は頂点に達したという。

 トナー氏の発言に対し、オープンAIのテイラー会長は「問題を蒸し返したことに失望した」との声明を発表。ただ、内容は否定しなかった。取締役会は解任劇を巡る外部調査の結果を受け、アルトマン氏を復帰させたが、騒動の経緯は公表していない。

 ◇安全対策、チーム解体

 5月には、高度な安全対策を担ってきたチームの解体も明らかになった。担当幹部2人が退社を表明。その一人、ヤン・ライク氏はX(旧ツイッター)に「ここ数年、安全文化は後回しにされてきた」と投稿し、事業拡大を優先したと経営陣を批判した。

 同月発表された音声対話機能では、音声の一つが米女優スカーレット・ヨハンソンさんの声に酷似しているとの指摘が殺到。提供中止に追い込まれた。アルトマン氏が発表当日、Xにヨハンソンさんが声でAI役を演じた映画の題名「her(彼女)」を投稿するという、不可解な動きに出たため、会社側が別人の声だと釈明しても疑念払拭には至らなかった。

 オープンAIはチャットGPT公開以来、生成AI業界のリーダーと目されてきた。偽情報拡散や著作権侵害などへの懸念が高まる中、企業統治のもろさを露呈したことは、同社にとどまらず業界全体の信用に影響を及ぼす恐れがある。

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