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ゼレンスキー氏、軍トップと摩擦 「戦況こう着」発言が波紋―大統領選に向け神経とがらす・ウクライナ

配信
ウクライナのゼレンスキー大統領(右から2人目)とザルジニー軍総司令官(左から2人目)=11月3日、撮影場所不明(大統領府提供)(AFP時事)

ウクライナのゼレンスキー大統領(右から2人目)とザルジニー軍総司令官(左から2人目)=11月3日、撮影場所不明(大統領府提供)(AFP時事)

 ロシアの侵攻を受けるウクライナで、ゼレンスキー大統領と軍トップの摩擦がささやかれている。発端は、対ロ反転攻勢がうまくいかず、戦況が「行き詰まった」と吐露したザルジニー総司令官の発言。「前進」をアピールしてきたゼレンスキー氏の信用に傷が付けば、次期大統領選で足をすくわれかねず、政権は内部からの批判に神経をとがらせている。

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 ◇選挙延期も

 ザルジニー氏の発言は、11月1日の英誌エコノミスト(電子版)のインタビューで飛び出した。6月からの反転攻勢が戦果に乏しいことは「公然の秘密」だが、西側諸国の「支援疲れ」が指摘され、パレスチナ情勢に国際社会の関心を奪われる中、政権は苦戦を認めるのに及び腰。停戦圧力が強まることを恐れ、ゼレンスキー氏は「こう着ではない」と否定した。

 折しも来年予定の大統領選を行えるかが焦点となっており、ザルジニー氏の発言は「政権批判」として政治性を帯びた。総動員下、ウクライナ国民は「運命共同体」の軍に信頼を寄せているとされ、同氏の人気は高い。8月に再選出馬の意向を示していたゼレンスキー氏は一転、選挙の延期に言及した。

 現地メディア「ストラナ」によると、政権は大統領選で「ザルジニー氏が出馬しないという確約が必要」と認識。従わなければ、総司令官解任も選択肢に入れているという。仮に出馬すれば、ゼレンスキー氏との決選投票にもつれ込むと予想する世論調査結果も報じられている。

 ◇ロシアは注視

 「ザルジニー氏は真実を語った」。首都キーウ(キエフ)のクリチコ市長は今月2日、スイス・メディアのインタビューで政権に苦言を呈した。「終戦まで大統領を支えなければならない」と前置きしつつ、最終的に「(ゼレンスキー氏が)成功と失敗の責任を負う」と警告した。

 大統領選を巡っては、1月に辞任したアレストビッチ元大統領府顧問が出馬の意向を表明。捜査を受けて出国したため、ゼレンスキー氏の対抗馬になる可能性は低いが、かつての「身内」に反旗を翻されたのは政権にとって逆風だ。

 「(西側諸国で)ゼレンスキー氏の後継者が検討されている」。ロシアは隣国の混乱をチャンスとして注視。プーチン大統領側近のナルイシキン対外情報局(SVR)長官は今月11日、ウクライナ大統領候補としてザルジニー氏やアレストビッチ氏、クリチコ氏らの名前を挙げた。「一枚岩」を崩せば戦況に有利に働くとみて、ウクライナを揺さぶっている。

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